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[support 2011-net:0567]
2010年 07月 05日
サポート2011@スポーツ医・科学センターです。(柴田)
【アンチドーピング】情報 【アンチドーピング】に関わる最新情報が入りましたのでご紹介します。 ◆ 高圧酸素カプセルの使用について すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、今年1月発効の世界アンチドーピング防止規定、2010年禁止表国際基準においてこれまでグレーゾーンであると言われていた高圧酸素の供給について、「禁止されない」と明確にうたわれています。 2009年時点では空気を加圧することは禁止されていませんでしたが、酸素濃度を人為的に高くしたものを吸入する行為は「禁止」とされていました。 これにより、メディア等でベッカムカプセルなどの呼称で取り上げられていた高圧酸素カプセルの使用は問題がなくなったと解釈できます。 関連資料: 2010年禁止表国際基準 2010年禁止表主要な変更の要約 2010年禁止表Q&A それぞれの資料で「M1項 酸素運搬能の強化」が該当部分です。 関連する資料は下記URLにてダウンロード可能です。 興味のある方はご参照ください。 ホームページへのアクセスにはログインが必要です。 ダウンロードホームページ「intelligence Annex」 http://web.me.com/intel_jiss/intel.jiss login:inteljiss pw:teamjpn 皆様へ 酸素吸入については、2004年禁止表より記載がなく、「酸素運搬能の強化」にあたるかどうかについては明確ではありませんでした。数年前に、低圧チャンバーや低酸素テントについて、WADAはstake holder であるIF,NADO,NOCに対して公開質問状を送り、最終的にWADA評議員会でこれらについての使用を競技 力の向上、健康への悪影響、スポーツ倫理の点から、禁止にしませんでした。 これはWADAとして決定したものです。これに対して高圧酸素や高濃度酸素については、WADAはstake holder であるIF,NADO,NOCに対して公開質問状を送らずに、専門委員会レベルでの討議のみで、禁止であると決定とし、その委員会の議事録に載せました。これはWADA web site からダウンロード可能でした(今はどうか知りません)。 そして、これはWADA評議員会で決定された事項ではありません。この専門委員会での決定事項を基に、酸素カプセルは禁止方法とみなされるかもしれないと判断し、酸素カプセルなどを北京五輪には日本チームは持参していません。しかし、2008年禁止表に禁止行為と明記されていませんでした。 2010年禁止表において、酸素そのものの吸入については禁止されないことが初めて明確に記載されました。すなわち、どのような状態の酸素でも吸入可能で、高圧酸素、高濃度酸素、もちろん低圧酸素、低濃度酸素も禁止ではされません。 そもそも、酸素吸入そのものが、「酸素運搬能の強化」にあたる可能性があるのは、低圧酸素、低濃度酸素吸入で、腎細胞が低酸素状態にさらされてEPO分泌が亢進し、血液Hb濃度が高くなり、その結果、酸素運搬能の強化につながります。高濃度酸素や高圧酸素ではそのような機序は働かず、EPO分泌亢進も招来しません。単に、酸素飽和度がほんの少し増加し、酸素運搬量を増やす可能性があるだけです。高濃度酸素を吸入すると、動脈血酸素分圧は高くなりますが、空気吸入下ですでに98~99%飽和状態ですので、ごくわずかの飽和度の上昇しかなく、酸素運搬量はほとんど変化しません。かつ、酸素吸入によって、血液中の酸素運搬能の強化、改善もしくは組織内の酸素運搬能の強化は起こりえません。 2010年禁止表のWADA原案のレビューの際、JADAは酸素投与そのものについて禁止にする必要がないことを科学的に記載しWADAへ進言し、WADAに受け入れられたものです。長くなりましたが、補足とさせていただきます。 JADA競技団体連絡会議委員長 山澤文裕 2010.7.2
by support2011
| 2010-07-05 13:13
| 【アンチドーピング】
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